こんにちは、楸(ひさぎ)です。 本日は「アクティブラーニング」について、概要とともに未就学児にも必要かどうかを一緒に考えていこうと思います。
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はじめに
「アクティブラーニング」は、文部科学省が平成29年に公示した「新しい学習指導要領の考え方」に、アクティブ・ラーニングの視点を取り入れた各学校の授業の改善、推進について記載がされていることから、日本でも注目され始めた教育法です。
アクティブラーニングって必要?
結論から言うと、私はとてもいい教育法だと思っています!
順を追って説明していきますね。
アクティブラーニングの概要と重要性
アクティブラーニングは、文字通り「能動的な学習」を意味し、学ぶ人が受動的に情報を受け取るのではなく、能動的に問題を解決したり、考えたりするプロセスを重視します。この教育方法は、子どもたちが単に知識を記憶するのではなく、批判的思考、問題解決能力、創造性といった21世紀のスキルを養うのに役立ちます。
共働き夫婦にとっての価値
共働きの夫婦にとって、子どもの教育は特に重要なテーマです。忙しい日々の中で、子どもたちが自分で学び、自分で理解していけるようにすることは、子どもの自立心を育むと同時に、親の負担を減らすことにもつながります。アクティブラーニングを取り入れることで、子どもは自分の好奇心を追求する楽しさを知り、学びのプロセス自体に喜びを見出すようになるでしょう。
この記事を通して、アクティブラーニングの基本的な概念を理解し、それを日常生活にどのように応用できるかを探る手助けをしたいと思います。共働きのママパパが、子どもの学びに対する新しいアプローチを見つけ、子ども自身の能力を最大限に引き出す手助けをするヒントとなれば幸いです。
アクティブラーニングとは何か?
アクティブラーニングの定義
アクティブラーニングは、従来の受け身の学習スタイルから一歩進んだ教育方法です。このアプローチでは、子どもたちは情報を受動的に受け取るだけでなく、能動的に参加し、学習プロセスに積極的に関わります。アクティブラーニングでは、子どもたちが自ら質問をし、議論に参加し、実践を通じて学ぶことが重視されます。これには、グループワーク、プロジェクトベースの学習、問題解決活動などが含まれます。
従来の学習方法との違い
従来の学習方法では、教師が情報の主な提供者として機能し、子どもたちは教師からの一方的な指導を受けることが多いです。しかし、アクティブラーニングでは、子どもたち自身が学習の中心となり、自分たちの学習過程やペースを自らコントロールします。この方法では、教師はガイドやファシリテーターとしての役割を果たし、子どもたちが自分で答えを見つける手助けをします。
子どもの自発性と探求心を育むアクティブラーニングの利点
アクティブラーニングは、子どもたちの自発性と探求心を育むための理想的な環境を提供します。このアプローチを通じて、子どもたちは自分の興味や好奇心を追求する方法を学びます。また、自分で問題を解決し、自分の意見を表現することで、自信と自律性を育てることができます。
さらに、アクティブラーニングは、単なる知識の習得を超えて、批判的思考能力、創造性、コミュニケーションスキルの発展を促します。これらのスキルは、子どもたちが将来、社会で成功するために不可欠なものです。子どもたちが自分の学習に責任を持ち、積極的に参加することで、学習はより意味深く、楽しく、効果的なものになります。
アクティブラーニングは、子どもたちが自ら考え、行動する力を育てるための重要な手段です。この学習スタイルを通じて、子どもたちは自分の可能性を最大限に引き出し、未来の挑戦に自信を持って臨むことができるようになります。
なぜ未就学児にアクティブラーニングが有効か
早期教育におけるアクティブラーニングの役割とメリット
未就学児期は、子どもたちの学びや成長において極めて重要な時期です。この段階でのアクティブラーニングの導入は、子どもたちの将来の学習態度や能力に大きな影響を与えます。アクティブラーニングは、子どもたちに自分の興味や好奇心を探求する機会を提供し、新しいアイデアや概念に触れることを促します。このアプローチにより、子どもたちは学びの過程で自己表現や自己探求の喜びを体験することができます。
また、アクティブラーニングは子どもたちに、自分の考えを形成し、それを他者と共有する能力を身に付けさせます。これにより、コミュニケーション能力、社会性、協調性が養われるとともに、他者への共感や理解を深めることにも繋がります。早期教育におけるアクティブラーニングの導入は、単に知識を提供するだけでなく、子どもたちの総合的な人間性の発展を促進します。
子どもの認知発達とアクティブラーニングとの関連性
アクティブラーニングは、子どもの認知発達を促進する重要な役割を果たします。未就学児期における認知発達は、自分自身と外界との関係を理解し、世界についての基本的な知識を構築するプロセスです。アクティブラーニングはこのプロセスを促進し、子どもたちが自分の経験を通じて学び、理解を深めるのを助けます。
例えば、アクティブラーニングにおける問題解決活動や探求学習は、子どもたちに考える力、分析する力、そして結論を導き出す力を養います。これらの活動は、論理的思考や批判的思考の発達を促し、子どもたちがより複雑な概念やアイデアを理解し、それらを自分の知識体系に統合するのを助けます。
さらに、アクティブラーニングは、子どもたちが自分の感情や他人の感情を理解し、それに適切に反応する能力を育てます。これは、感情的な知能の発達に直接関わり、社会的スキルや人間関係の構築において重要な要素です。
総じて、アクティブラーニングは未就学児にとって、知識の獲得だけでなく、認知的、感情的、社会的スキルの発達を促す強力な教育ツールです。このアプローチを通じて、子どもたちは自分自身と周囲の世界についての深い理解を築き、一生涯にわたる学習の礎を築くことができます。
保育現場でのアクティブラーニング実践例
アクティブラーニングの理論がどのように実際の保育現場で生かされているかを理解するには、具体的な実践事例を見ることが非常に有効です。以下では、いくつかの保育園や幼稚園でのアクティブラーニングの導入事例と、その具体的な活動例、さらにはそれらがもたらした成果を紹介します。
事例1: 探究ベースのプロジェクト活動
ある保育園では、子どもたちが自然界や科学について学ぶための探究ベースのプロジェクトを導入しています。例えば、「植物はどのように成長するか」というテーマの下、子どもたちは種を植え、水やりをし、成長の過程を観察します。この活動を通じて、子どもたちは生命のサイクルについて学び、観察力や記録の重要性を理解します。
成果
この活動は、子どもたちの自然科学に対する興味を大いに刺激し、自分たちで実験をして結果を予測する能力を育てました。また、自然界への尊敬の念を深めることにも繋がりました。
事例2: ロールプレイと社会的スキルの発達
別の幼稚園では、子どもたちが異なる職業や社会的役割を体験するロールプレイ活動を行っています。子どもたちは、医者、教師、店員などの役割を演じ、それに伴う社会的相互作用を学びます。
成果
ロールプレイを通じて、子どもたちはコミュニケーションスキル、共感の能力、チームワークの重要性を学びました。また、さまざまな職業についての理解を深めるとともに、社会の中での自分の役割について考える機会を得ました。
事例3: アートと創造性の促進
ある保育園では、アートを通じて子どもたちの創造性を刺激する活動を行っています。子どもたちは、さまざまな素材を使用して自由に作品を作り、そのプロセスで色、形、テクスチャについて学びます。
成果
このアート活動は、子どもたちの創造的な表現力を高め、美的感覚を育てました。また、作品を通じて自己表現の喜びを体験し、他の子どもたちとの交流を深めるきっかけとなりました。
これらの実践例は、アクティブラーニングが子どもたちの学びにおいてどのようにポジティブな影響を与えるかを明確に示しています。科学的探究から社会的スキル、創造性の育成に至るまで、アクティブラーニングは子どもたちに多様な経験と学習機会を提供し、その全人的な成長を支援します。
自宅でできるアクティブラーニングのアイデア
アクティブラーニングは、保育園や幼稚園だけでなく、家庭でも簡単に取り入れることができます。以下に、日常生活の中で実践できるアクティブラーニングのアイデアと、親子で楽しく学べる活動をいくつか提案します。
1. 自然探索活動
アイデア: 近くの公園や庭で自然観察を行い、植物や昆虫を探す。
方法: 子どもに虫めがねを使って植物や虫を観察させ、それらについて質問します。例えば、「この葉っぱの形はなぜこのようになっているのか?」や「この虫は何を食べているのかな?」といった具体的な質問を通じて、子どもの好奇心を刺激します。
成果: 子どもの観察力と好奇心を育み、自然に対する理解を深めます。
2. 家庭内クッキング
アイデア: 簡単な料理を一緒に作り、食材について学ぶ。
方法: 子どもに食材の切り方や混ぜ方を教え、料理のプロセスに関わらせます。また、食材がどこから来たのか、どのように育つのかについて話し合います。
成果: 子どもの実用的なスキルと食に対する意識を高めます。
3. アートプロジェクト
アイデア: 再利用可能な材料を使って、創造的なアート作品を作る。もちろん、Made by Sweetieのキットを活用していただいても問題ありません。
方法: 使い古した紙や布、空の容器などを集め、それらを使って何か新しいものを作るよう子どもに促します。プロセス中には、色や形、質感について話し合い、子どものアイデアを尊重します。
成果: 創造力と環境への意識を育みます。
4. 家族のストーリーテリング
アイデア: 家族の歴史や面白いエピソードに基づいたストーリーテリング。
方法: 家族の過去の出来事や面白いエピソードを話し、それに基づいて子どもに物語を作らせます。子どもには、登場人物や場面、結末を想像させます。
成果: 言語能力と創造的な思考力を養います。
これらのアクティブラーニングのアイデアは、子どもたちが遊びの中で学習することを促し、日常生活の中で新しいスキルや知識を身に付ける機会を提供します。親子で一緒に取り組むことで、学習はより楽しく、記憶に残るものになるでしょう。
アクティブラーニングの落とし穴と対処法
アクティブラーニングは多くの利点がありますが、正しく理解し適切に実施することが重要です。ここでは、アクティブラーニングにおける一般的な落とし穴とそれに対処する方法について解説します。
落とし穴1: 構造の欠如
アクティブラーニングは構造や方向性がなく、子どもたちが自由にするだけだと思われがちです。
ですが実際には、アクティブラーニングには明確な目標とガイドラインが必要です。活動前に目標を設定し、子どもたちが目標に向かって進めるようサポートします。また、適切な時間管理と活動の評価も重要です。
落とし穴2: 不十分な指導
アクティブラーニングでは教師や親の役割が不要と考えられることがあります。
ですが教師や親はアクティブラーニングのプロセスにおいて重要なファシリテーターです。子どもたちの学習を観察し、必要な時には適切な質問やヒントを提供して学びを深めるよう導きます。
落とし穴3: 子どもの興味の欠如
すべての子どもがアクティブラーニングに興味を持つわけではありません。せっかく準備した活動をお子さんがやりたくない、興味を示さないこともあります。
せっかく準備したのにそうなってしまうと悲しくなりますよね。子どもが興味を持つテーマや方法を見つけるために、観察や会話を通じて子どもの嗜好を把握することも大事ですが、「お子さんもやりたくない気分の時もある」と気軽に考えるといいでしょう。
落とし穴4: 子どもの挫折感
アクティブラーニングは難易度が高く、子どもが挫折することがあります。
そのため、子どもが直面する困難を理解し、小さな成功体験を積み重ねられるようサポートします。失敗を学習の一部として捉え、それから学ぶことの大切さを教えます。
落とし穴5: 評価の難しさ
家庭ではそもそも「評価」という視点でお子さんを見ると、お子さんもママパパも息苦しく成るため、この視点はそもそもおすすめしませんが、アクティブラーニングの成果は伝統的なテストや評価方法では測りにくいとされることがあります。
そのため、アクティブラーニング以外でもですが、重視するのは結果ではなく、あくまで学習のプロセスと心得ましょう。
アクティブラーニングを効果的に取り入れるためには、これらの落とし穴を理解し、それぞれに対する適切な対処法を用いることが重要です。子どもたちが学習の過程で直面する困難に対して適切なサポートを提供することで、アクティブラーニングの真の価値を最大限に引き出すことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?この記事では、アクティブラーニングの基本的な概念、その保育現場での実践例、家庭での応用方法、さらには取り組む際の注意点について詳しく見てきました。
お話しした重要な点を下記にまとめるとこうなります。
アクティブラーニングの要点
- 子どもが主体的に学ぶ: アクティブラーニングは、子どもたちが受動的な受け手ではなく、自ら学びを探求し、問題を解決する主体者となることを促します。
- 批判的思考と創造性の育成: このアプローチは、子どもたちに批判的思考、創造性、問題解決能力など、21世紀に必要なスキルを身に付けさせます。
- 実践と体験を重視: 学びは実際の体験と実践を通じて深まり、子どもたちの理解がより具体的かつ実用的なものになります。
親の役割の重要性
アクティブラーニングは、子どもたちの学びにおいて親の役割を強調します。親は子どもたちの興味を尊重し、学びの過程で適切なサポートと指導を提供する必要があります。家庭でのアクティブラーニングの実践は、子どもたちが新しい知識とスキルを楽しく学ぶだけでなく、親子の絆を深める絶好の機会です。
親が子どもの学びに積極的に関わることは、子どもたちが自信を持って新しい挑戦に臨むための土台を築きます。アクティブラーニングのアプローチを取り入れることで、親は子どもたちの自発性、創造性、問題解決能力を育むとともに、生涯にわたる学びの愛を育むことができます。
最終的に、アクティブラーニングは単なる教育手法ではなく、子どもたちが自分自身の可能性を最大限に発揮し、未来の挑戦に自信を持って取り組むための基盤を提供するものです。親として、子どもたちがこの貴重な学びの旅を楽しみながら歩むことをサポートすることが、私たちの最も重要な役割の一つであると言えるでしょう。